球磨川・川辺川の鮎 Q&A
  Q)球磨川・川辺川の鮎は1年をどうすごしているのでしょう?

A)

鮎は1年でその生活を終えるので、「年魚」と呼ばれます。秋に下流の早瀬の砂利に産卵され、孵化した鮎(仔魚)は、流れに乗って不知火海まで下り、冬を過ごします。
春、海と川の温度が同じころになると、5〜7cmに育った稚鮎は球磨川を遡上し始めますが、球磨川には3つのダムがあり上れないために、一番下の堰で掬いあげられ、トラックで運ばれ、上流約30箇所で放流されます。石に着く珪藻を食べ、大きく成長した鮎は、秋日が短くなるにつれ成熟し、下流に下り主に八代付近の早瀬で産卵し、わずか1年という短い一生を終えるのです。 「春生じ、夏長じ、秋衰えて、冬死す年魚」といわれる所以です。


  Q)球磨川・川辺川の鮎はなぜ大きいの?

A)

鮎は北海道から南九州まで広く分布しますが、巨鮎が育つのは西日本の川が主です。平均気温が高いことと、日照時間が長いことで、鮎の主食である藻類がよく繁殖することが、一番の原因でしょう。巨鮎の産地として有名な川は西日本にいくつかありますが、球磨川の鮎が特に有名なのは、川の水質が良好なため、太陽の光が川底まで届き、藻の生産力が高いからと考えられています。
また急流に鍛えられることも大きく育つ要因です。特に30cmを超す巨鮎は尺鮎と呼ばれています。球磨川の水質と水量は川辺川に支えられているのです。


  Q)川辺川の鮎がとくにおいしいのはなぜ?

A)

おいしい鮎の条件は、良質の水と主食とする藻類の種類です。鮎が主食とする藻の種類は珪藻、緑藻などですが、珪藻は水質が良好なところでないと生えません。鮎はこの珪藻をどんどん食べて、あの鮎独特のスイカの香りをもつ、香魚となるのです。
川辺川は環境庁も水質日本一と認めた清流で、川底の石には鮎の大好物の珪藻がいっぱい付いています。 また、日本各地の河川で養殖鮎の放流に頼っているのに対し、川辺川・球磨川の鮎は天然の鮎です。これらの条件が川辺川の鮎を特別おいしいくしています。
また、球磨川の鮎も急流でもまれることによって肉質がしまり、大きさだけでなく味も姿も他の川の追従を許しません。


  Q)球磨川では毎年どのくらいの鮎が遡上するの?

A)

毎年の遡上量は300万尾を超えます。遡上量は主に前年の産卵時期の天候に左右されるといいます。
ダムがあると、鮎は遡上もできませんが、秋産卵のために下ることもできません。しかし、秋に大水があると堰堤を越流する親鮎が、下流にたどり着き産卵できるのです。また、平水時にダムの上流部で生まれた仔魚も、ダム湖内で死滅してしまい、海までたどり着くことはできません。
球磨川はダムや堰の建設後、産卵に適した下流の浅瀬も何十キロも失いました。昔は、春になると遡上する稚鮎の群れが巨大な黒帯びとなって上り、圧巻だったといいますから、今の200倍近くの鮎が遡上していたと言われています。


  Q)球磨川の巨鮎は、本当に尺(30cm)以上あるのですか?

A)

尺鮎といわれる鮎にまで育つかどうかは、その年の鮎の遡上量と天候に左右されます。
天候に恵まれ、鮎の餌となる苔がよく育つと、それだけたくさんの鮎を育てることができます。また遡上する鮎の数が多すぎると、十分な苔を食べることが出来ず、鮎は大きく育つことができません。巨鮎のうち尺鮎にまで育つのは、現在では、全体の1割程度といわれますが、去年の遡上量は580万尾と多かったので、尺鮎は少なかったようです。
昔は殆どが30cmぐらいあり、サバぐらいの大きさがあったといいますから、球磨川がいかに豊かな生産力を持っていたかがわかりますね。「尺鮎トラスト」という名前は、そういう大きな鮎がたくさんいる川を取り戻したいという気持ちもこめてつけています。


  Q)鮎の量が少なくなっているのに、全国から球磨川に鮎を釣りに来る人が増えているのは何故?

A)

球磨川の巨鮎が全国の釣り人を魅了していることもありますが、一番の原因は、もう全国には天然鮎が釣れるところが少なくなり、鮎釣りを楽しめる川が本当に少なくなったということなのです。ダムや堰ができると、天然鮎が遡上できなくなり、養殖した人工鮎を放流しているところが増えてきます。群れる習性のある人工鮎より、天然の鮎の方が追いが強いと言われ、鮎がなわばりをもつ習性を利用した友釣りの醍醐味を味わえるのかもしれません。